「これ以上休むと、、、クビにされちゃうかもしれません。」

わたしはそう言い、無理に微笑んで見せた。

すると、弦巻さんは「今までにも、同じような症状があったんですか?」と言った。

その問いにわたしは頷くと、今ある症状や今まで何件もの病院を受診してきたが「異常がない」と言われ続けてきたこと、体調が悪くて休みがちになると、職場から嫌な顔をされ、今は孤立している状態だということを話した。

弦巻さんは、わたしの話を黙って聞いてくれ、わたしが話し終わると一つ溜息をつき、「そうだったんですね、、、だから、さっきみたいな行動に?」と言い、その言葉にわたしはゆっくりと頷いた。

「誰にも理解されないのは、、、ツラいですよね。」
「、、、だから、もう、生きてるのに、、、疲れてしまって、、、何もかも、嫌になってしまいました。こんなに身体が痛いのに、こんなに身体がツラいのに、、、何も原因が見つからないし、、、誰にも理解してもらえなくて、嘘つきだって言われてるみたいで、、、」

わたしはそう言いながら、涙を流した。

弦巻さんは、ボックスティッシュをわたしにそっと差し出すと、優しく口調で「でも、俺は、、、美桜さんが嘘つきだなんて思いませんよ。」と言ってくれた。

今日初めて知り合ったばかりなのに、、、
わたしのことを信じてくれるの?

わたしは弦巻さんが差し出したボックスティッシュからティッシュを数枚引き抜くと、涙を拭き、「ありがとうございます。」と言った。

「でも、この状態ではやっぱり仕事は無理ですよ。俺が親戚とかのフリをして職場に電話しましょうか?あとは、体調が少し落ち着くまで、うちに居ていいですからね。俺は基本、在宅ワークで週に二回、研究室に行くくらいなので。」
「研究室?」

わたしがそう訊くと、弦巻さんは「あぁ、俺、医学研究をしてるんですよ。」と答え、優しく微笑んだのだった。