「み、右半身に痺れと、痛みが、、、」
わたしがそう言うと、その男性は冷静な様子で「救急車呼びますね。」と言い、ポケットからスマホを取り出し、スマホを操作して耳にあてると「あ、救急車お願いします。20代女性が右半身に痺れと痛みを訴えています。」と説明し、それから現在の居場所を大体で説明すると、「分かりました。」と電話を切った。
「5分前後で救急車が来ますからね。もうちょっとの辛抱ですよ。」
その男性は優しい口調でそう話し掛けてくれると、救急車到着まで付き添ってくれていて、救急車が到着後は一緒に救急車に同乗してくれた。
それから時間的に外来が終わっている時間だった為、わたしは総合病院の救急に搬送された。
右半身の痺れと痛みがあった為、脳に問題があることが疑われ、簡単な脳の検査とMRI検査を受けたわたしだったが、最終的に医師から言われた言葉は「特に異常は見られませんでした。」だった。
まただ、、、
じゃあ、この痛みは何なの?
この痺れは何なの?
とてもじゃないが、わたしは歩けるような状態ではなく、救急車に同乗してくれた見ず知らずの男性が「入院をさせてあげることは出来ないんですか?」と医師に掛け合ってくれたのだが、救命医は「原因も分からないから治療も何も出来ることが無いし、うちは今満床なので、帰ってもらうしかないですね。」と言っているのが聞こえてきた。
わたしは、何だが見捨てられた気持ちになった。
こんなにツラいのに"出来ることがない"?
"帰ってもらうしかない?"
ぼんやりとしながら天井を見上げ、わたしは思った。
生きることに疲れた、、、



