同じテーブルを囲み、一緒にポトフを頬張る弦巻さん。
あまり気にしていなかったが、よく見ると整った綺麗な顔立ちに、眼鏡の向こうに見える瞳はとても澄んでいて、いわゆるイケメン顔をしていた。
わたし、こんな素敵な人に助けてもらってたんだ。
そう思うと、急に恥ずかしくなってきてしまった。
「そういえば、女性にこんなことを訊くのは失礼かもしれませんが、美桜さんっておいくつなんですか?」
弦巻さんの質問にわたしは「26です。」と答えた。
すると、弦巻さんは「じゃあ、やっぱり"兄"と言って正解でしたね。俺は、30なので。」と言って微笑んだ。
「あ、そうなんですか?4つも年上だったんですね。」
「はい。それから、今更ですが美桜さん、恋人はいらっしゃらないですか?もしいるなら、こんな男の家に招いてしまって大変失礼なことを、、、」
「それなら、大丈夫です。もう4年はいませんから。弦巻さんこそ、彼女さんはいらっしゃらないんですか?」
「俺もいませんよ。研究に没頭していたら、いつの間にか30になっていて、いつから彼女がいないのか忘れてしまいました。」
そう言って、自分の発言に苦笑いを浮かべる弦巻さん。
こんな素敵な人なのに、いつから彼女がいないのか分からないなんて、、、
でも、きっとモテるよね?
それでも弦巻さんって、そうゆう"好意"を持たれていたとしても、気付かないタイプって感じがするなぁ。
こう言っちゃ失礼だが、恋愛面で人の好意に対しては鈍そうだ。



