スイが水から出された。
スイは大きな目をぱちぱちとさせながら僕達を見て、
それから少し恥ずかしがるように身をよじってみせた。
「やっぱり、恥ずかしいんじゃないですか?」
「……」
長身先輩が黙って自分の白衣を脱いでスイの肩にかけた。思ったより小さな身体は白衣に吸いこまれるようだった。
「お前、街へ行ってスイのために水着を買って来い」
先輩はそっけなくそう言って白衣の中から財布を出してカードを投げて寄こした。
水を玉にして弾くスイの白くなめらかな肌。肩や胸、腰のまろやかな曲線。紅色に染まった丸い頬 -
「水着……」
僕が水泳をしていたのは中学生の頃が最後で、ましてや女物の水着なんて見立てた事もない。
「もうすぐ世間は夏休みだ。水着くらい売っているだろう」
僕は、ちょっと頬を染めてスイに背を向けた。
久しぶりにバスに乗って下りた下界は相変わらず静かで活気がなかった。
僕はさびれてシャッターが閉まった店の多い商店街の中のこじんまりとしたスーパーに入り、女性物の水着を探した。
とりあえず下がっていた紺色の水着を数枚掴み、それから、黄色いひまわりの大きな絵のついた白いサマーワンピースを見た。
腰をベルトで絞ったそのワンピースはノースリーブだが、すそが長くふわっとふくらむように切り返しがある。とても清楚なイメージだ。
これをスイが着たら -
僕はそのワンピースも買った。
勿論、自分のカードで。
スイは大きな目をぱちぱちとさせながら僕達を見て、
それから少し恥ずかしがるように身をよじってみせた。
「やっぱり、恥ずかしいんじゃないですか?」
「……」
長身先輩が黙って自分の白衣を脱いでスイの肩にかけた。思ったより小さな身体は白衣に吸いこまれるようだった。
「お前、街へ行ってスイのために水着を買って来い」
先輩はそっけなくそう言って白衣の中から財布を出してカードを投げて寄こした。
水を玉にして弾くスイの白くなめらかな肌。肩や胸、腰のまろやかな曲線。紅色に染まった丸い頬 -
「水着……」
僕が水泳をしていたのは中学生の頃が最後で、ましてや女物の水着なんて見立てた事もない。
「もうすぐ世間は夏休みだ。水着くらい売っているだろう」
僕は、ちょっと頬を染めてスイに背を向けた。
久しぶりにバスに乗って下りた下界は相変わらず静かで活気がなかった。
僕はさびれてシャッターが閉まった店の多い商店街の中のこじんまりとしたスーパーに入り、女性物の水着を探した。
とりあえず下がっていた紺色の水着を数枚掴み、それから、黄色いひまわりの大きな絵のついた白いサマーワンピースを見た。
腰をベルトで絞ったそのワンピースはノースリーブだが、すそが長くふわっとふくらむように切り返しがある。とても清楚なイメージだ。
これをスイが着たら -
僕はそのワンピースも買った。
勿論、自分のカードで。



