つ、疲れた……
ようやく仮眠室のベッドに辿り着き、僕は思わずベッドにへたり込んだ。
目覚めたスイはバイタルが急上昇。
ドクターの指示で急きょ、スタッフ総出でバイタルを通常に戻す処置を行った。
水から出されたスイの白い皮膚はゆっくりと地上の生き物に同化して行くように柔らかくなって行き、目はらんらんと輝いていた。
そして点滴をするため右ひじの内側に針を刺した瞬間、痛そうに顔をしかめた -

女の子、だよな？
普通の女の子だ。
僕は半分ベッドに寄りかかった状態でぼうっと考える。
黒い髪。白い肌。そして、蒼い瞳。
彼女は確かにあの湖から発見されたけれど、調べなければならないことがたくさんあるけれど、
彼女は、
（女の子だ）
スイは明け方近くに、また眠りについた。
そして僕もやっと深い眠りに落ちていける -

僕は上を見上げていた。
ゆらゆらと揺れる天井。
いや、あれは、
水面を透き通らせる陽の光か -