柚月と律希は私のきょうだいで、どちらも高校一年生。──双子だ。
家計がカツカツなうちにとって、双子は正直、出費的にきつい。
進学も、行事も、制服も、教材も……何もかもが「×2」でのしかかってくる。
でも私は、このふたりが双子でよかったと本気で思っている。
小さいころからいつも一緒で、お互いを一番の味方にして、支え合いながら成長してきた。
だからこそ、進路くらいは好きに選ばせてやりたい。
そのための苦労なら、いくらでもしてやるつもりだ。
「律希がほうとう食べたいって言うからさ、昨日、甲府まで麺を買いに行ってきたんだよ?」
冗談めかしてそう言うと、律希が目を見開いた。
「……嘘」
自分のせいで姉に負担をかけたと思っている顔だ。優しい子に罪悪感を背負わせるのは良くないなと思って、私はすぐにフォローを入れた。
「うそうそ。普通にスーパーにあったよ。もしなかったら、うどん入れてもバレないかなって思ったけど」
「バレるよ! この前、遠征で山梨に行ったとき本物食べたし。全然違ったよ」
家計がカツカツなうちにとって、双子は正直、出費的にきつい。
進学も、行事も、制服も、教材も……何もかもが「×2」でのしかかってくる。
でも私は、このふたりが双子でよかったと本気で思っている。
小さいころからいつも一緒で、お互いを一番の味方にして、支え合いながら成長してきた。
だからこそ、進路くらいは好きに選ばせてやりたい。
そのための苦労なら、いくらでもしてやるつもりだ。
「律希がほうとう食べたいって言うからさ、昨日、甲府まで麺を買いに行ってきたんだよ?」
冗談めかしてそう言うと、律希が目を見開いた。
「……嘘」
自分のせいで姉に負担をかけたと思っている顔だ。優しい子に罪悪感を背負わせるのは良くないなと思って、私はすぐにフォローを入れた。
「うそうそ。普通にスーパーにあったよ。もしなかったら、うどん入れてもバレないかなって思ったけど」
「バレるよ! この前、遠征で山梨に行ったとき本物食べたし。全然違ったよ」
