ふと、美玲がテレビに目を向けて「あ」と小さく声を上げる。
画面には、東條忠宏が映っていた。
いつもの穏やかな笑顔で、司会者と話している。
「あーあ。推してたのに。黒歴史フォルダ行きだわ」
美玲が肩をすくめる。──私は少し前に、東條氏のことを彼女に話したばかりだった。
すると、何も知らないはずの祐介くんが、画面を見ながらぽつりとつぶやいた。
「なんかさ、あの人の言葉って、いちいち正しいんだけど……でも、誰かの痛みとか、現実の重さみたいなものが全然にじんでこないんだよね。自分だけ、安全な場所から見てるって感じ」
思わず、颯真さんと目を合わせた。
彼は、唇の端をほんのわずかに上げて、静かに頷いた。
──言葉は、たとえ虚構でも、立場と見せ方次第で「本物」に見える。
でも、それを見抜く目も、きっとちゃんとある。
テレビの中で、東條氏は変わらぬ微笑をたたえながら、話し続けていた。
「責任とは、逃げるものではなく、果たすものです。背を向ければ、信頼は音を立てて崩れる。だから私は、何があっても正面から受け止める覚悟で──」
画面には、東條忠宏が映っていた。
いつもの穏やかな笑顔で、司会者と話している。
「あーあ。推してたのに。黒歴史フォルダ行きだわ」
美玲が肩をすくめる。──私は少し前に、東條氏のことを彼女に話したばかりだった。
すると、何も知らないはずの祐介くんが、画面を見ながらぽつりとつぶやいた。
「なんかさ、あの人の言葉って、いちいち正しいんだけど……でも、誰かの痛みとか、現実の重さみたいなものが全然にじんでこないんだよね。自分だけ、安全な場所から見てるって感じ」
思わず、颯真さんと目を合わせた。
彼は、唇の端をほんのわずかに上げて、静かに頷いた。
──言葉は、たとえ虚構でも、立場と見せ方次第で「本物」に見える。
でも、それを見抜く目も、きっとちゃんとある。
テレビの中で、東條氏は変わらぬ微笑をたたえながら、話し続けていた。
「責任とは、逃げるものではなく、果たすものです。背を向ければ、信頼は音を立てて崩れる。だから私は、何があっても正面から受け止める覚悟で──」
