俺はスマホを取り出してアプリを開いた。
プライベートなやり取りを見せるのは本意ではないが……関係を終わらせたいと言ったのは、彼女の方なのだ。見てもらった方が早い。
『昨日はご迷惑をおかけしました。
いろいろと本当にありがとうございました。
どうぞお体に気をつけてください。』
彼女はそれを見るなり、顔に手をやって、呆れたように首を振った。
「結城さん、咲の親友として、これを翻訳して差し上げますね。『とっても楽しかったです。また会いたいです。風邪ひかないでね♡』──たぶん、こんな感じです」
「……風邪ひかないで、だけは、確かに読み取れましたが」
「咲はそういう子なんです。そういえば、結城さんがくしゃみしたって言ってた。彼女、本気で心配してますよ」
そして両手で顔を覆い、切なそうに首を振る。
「それで結城さんは、そのメッセージ見て『あ、俺フラれたわ』って思って、香坂さんと付き合いだしたんですか? ……それ、誰も幸せにならないやつですから」
「ちょっと待ってください」
スマホをポケットに戻しながら、俺は口を開いた。
プライベートなやり取りを見せるのは本意ではないが……関係を終わらせたいと言ったのは、彼女の方なのだ。見てもらった方が早い。
『昨日はご迷惑をおかけしました。
いろいろと本当にありがとうございました。
どうぞお体に気をつけてください。』
彼女はそれを見るなり、顔に手をやって、呆れたように首を振った。
「結城さん、咲の親友として、これを翻訳して差し上げますね。『とっても楽しかったです。また会いたいです。風邪ひかないでね♡』──たぶん、こんな感じです」
「……風邪ひかないで、だけは、確かに読み取れましたが」
「咲はそういう子なんです。そういえば、結城さんがくしゃみしたって言ってた。彼女、本気で心配してますよ」
そして両手で顔を覆い、切なそうに首を振る。
「それで結城さんは、そのメッセージ見て『あ、俺フラれたわ』って思って、香坂さんと付き合いだしたんですか? ……それ、誰も幸せにならないやつですから」
「ちょっと待ってください」
スマホをポケットに戻しながら、俺は口を開いた。
