そして翌日、日曜の開店前。
暖簾をかけるために外へ出た私は──思わず足を止めた。
そこに、彼がいた。
肩の力を抜いた、ネイビーのジャケット姿。会社ではいつも整えていた髪が、今は風にふわりと揺れている。
夕暮れ前の柔らかな光に照らされたその顔は、改めて見ても端正だった。
視線が合った瞬間、胸が、少しだけ熱を帯びるのがわかった。
「こんばんは」
少しだけ緊張したような声で、彼が言った。
「こんばんは──富山では、ありがとうございました」
暖簾をかけたあと、私は深く頭を下げる。
「なんだか、結城さんにはお礼ばかり言ってる気がします」
「そんなこと……ないよ」
柔らかい言葉。……敬語じゃない。
「お礼をしたいと思ってるんですけど、私、褒められポイントって柿ようかんくらいしかなくて。だから、結城さんのために別バージョンの柿ようかんを作ってるんです。祐介くんのお姉さんのOKが出たら、お出ししますね」
暖簾をかけるために外へ出た私は──思わず足を止めた。
そこに、彼がいた。
肩の力を抜いた、ネイビーのジャケット姿。会社ではいつも整えていた髪が、今は風にふわりと揺れている。
夕暮れ前の柔らかな光に照らされたその顔は、改めて見ても端正だった。
視線が合った瞬間、胸が、少しだけ熱を帯びるのがわかった。
「こんばんは」
少しだけ緊張したような声で、彼が言った。
「こんばんは──富山では、ありがとうございました」
暖簾をかけたあと、私は深く頭を下げる。
「なんだか、結城さんにはお礼ばかり言ってる気がします」
「そんなこと……ないよ」
柔らかい言葉。……敬語じゃない。
「お礼をしたいと思ってるんですけど、私、褒められポイントって柿ようかんくらいしかなくて。だから、結城さんのために別バージョンの柿ようかんを作ってるんです。祐介くんのお姉さんのOKが出たら、お出ししますね」
