わたしたちはいつも通りに途中まで一緒に帰った。その間、いろんな話をした。今日の授業のとき、英語の先生の様子が少し変だったとか、最近はまっているSNSのこと。体重が増えただの、減っただの。

小町と礼紗と三人でいると、すごく楽しいし、元気がでる。
それに……。嫌なことも、忘れられる。家に帰ったときの辛い気持ちさえも……。

家に着いてみると、父親と妹がリビングのソファで二人そろって座り、テレビを見ていた。

(うわ……。よりによって、二人そろってる……)
わたしは一瞬にして、嫌な予感がした。心がブルブルッと震え出すのを感じる。

(こんなの、今日に始まったことじゃない。いつだってこうだった。いまさら、ひるむこともない。恐れることもない)そう思いつつも、わたしはこれから言われるであろう恐ろしい言葉に血の気が引くのを感じた。

「おう。亜子。お帰り」
「た、ただいま……」