せいあこ!

辛くてしかたない。
誰かに、助けて欲しい。

(もういやだ。あ……。でも。わたし、お母さんに約束したんだ。もっと強くなるって。それを忘れちゃだめだ)

そう思ったわたしは急いで一階に降り、母親の仏壇がある部屋に向かった。部屋の中にはわずかに線香の香りが残っている。朝に父親、わたし、忍がつけたもの。どうか、母親に届いていて欲しい、と深く願いながら。

わたしは仏壇に向かって、丁寧に手を合わせた。
「お母さん、高校入学してから1か月が経ったよ。わたし、強くなるから。ちゃんと、見ててね!」