小さいころからずっと好き

「僕のことだけで頭いっぱいにして、考えてよ」



新はそれだけ言い残して、部屋から出ようとする。
最後に余計な一言だけを言って。



「あ、でもテスト勉強もちゃんとやってよね」


「そこは普通体調を心配するとこでしょ!」


「熱下がってるし、そんなに声出るなら元気でしょ。じゃ」



誰のせいでこんな目に合ってると思ってんの!?


怒りと恥ずかしさを収めようと、もう一度布団をかぶろうとすると、テーブルの上に新が買って来た飲み物や風邪薬、ゼリー、書置きが目に入った。


書置きの内容が気になり、手に取ってみると“ 僕のせいでごめん。好きなもの買って来たから、早く元気になって”と書かれていた。


やっぱり、新は相変わらず優しい。
体調を崩したのは新のせいじゃなくて、私が悪いのに。


手に取った書置きをベッドの近くにある宝箱の中に入れて、未桜は眠りにつくのであった。