小さいころからずっと好き

「さっきよりは大丈夫。多分、熱下がった」


「ん……そう、ならいいけど」


「……」



私の視線に気づいたのか新は不思議そうな表情を向ける。



「何?そんなじっとこっち見て」


「何って……これ」



私は違和感がある手のほうを指さす。



「……僕からじゃないから」


「え」


「薬と飲み物とかだけでも置いておこうと思って持ってきたら、急に僕の名前呼んで手を握ってきたんだからね」


「私が?」


「ほかに誰かいるの?」



本当に私が?



「えっと……」



戸惑っている私に対して、新は淡々とした声で話す。



「みぃちゃんが僕の名前呼んで、急に手をつかんできたんだよ?」



全部、夢のせいだ。
夢の中に新が出てきたから!