小さいころからずっと好き

いつもいつも勝手に話進めて、なんで私が……。


少々納得いかないが、新の家に向かう。



「ぽかぽかしてて気持ち~!」



外に出ると、暖かい空気が春を感じさせる。


ぐっと背伸びをしていると聞きなれた声が聞こえてきた。



「何やってるの、みぃちゃん」



声がした方向を見ると、高校の受験前には毎日のように顔を合わせていた
新がベランダにいた。



「玄関開いてるから、勝手に上がってきていいよ」



『わかった~』とだけ、返事をして中に入る。



相変わらず不用心……。



「新~?新のお母さん達は~?」



いつも通り、挨拶をしようと探してみるがいない。



「ついさっき出て行ったよ。みぃちゃんのお母さんによろしくねって言ってた」