小さいころからずっと好き

「~~~!誰かに見られたら困るから離して!」



全然離さない新に嫌気をさし、睨みつけながら言う。



「見られたら困るのって永井?」



新の表情が一変して真剣な顔になり、ドキッとする。



「なんで永井が出てくるのよ!」


「じゃあ誰?」



誰って……そんなに気になる……?



「なつみとか、ほかの女子たち。質問攻めにあいたくないし」


「ふ~ん……まぁ、男子じゃないだけいいか」


「質問答えたんだから、離してよー」



新は短く返事をし、手を離した。


離されたのと同時に私は新から距離を取る。



「……これ、ありがとね」



一応、もらったものだからお礼は言っておく。



「先に戻るから」