小さいころからずっと好き

「もう僕の物だから、返さない」



新がリボンをほどいている間に、受け取ったパーカーを着る。



「あったかい」


「さっきまで着てたからね」



それに、大きい……。


小学生の時とは体格も変わって、声も低くなって、手も私よりも大きくて、身長もいつの間にか伸びていて、ほんの少しだけ寂しくなる。



「……これって鍵と猫のストラップ?」


「……まだ家の鍵渡してなかったから、ストラップつけたらカバンの中でも見つけやすいでしょー」


「ありがとう……なんで猫?」



新に似ていたからとか言ったら怒るかな……。



「似てたから……目が」


「目……?こんなに目つき悪い?」


「鏡持ってこようか?それともスマホで写真撮る?」



猫のストラップと新は睨み合っている。