小さいころからずっと好き

新は自分のパーカーを差し出す。


「心の声読んだ?」


「はぁ?変なこと言ってるなら貸さないけど」



優しいのか優しくないのか、どっちなの……。



「貸してください、お願いします。……でも、いいの?新も寒いでしょ?」


「風邪ひかれたほうが面倒だし、寒くないよ……その代わり、それちょうだい」



新が指をさしたのは私の手元にあるラッピングされた誕生日プレゼントだった。



「……あげない」


「ここまで持ってきて、僕のじゃないの?」


「……」



こんな形でプレゼントあげるはずなかったのに……。


しぶしぶ新に渡し、代わりにパーカーを受け取る。



「誕生日プレゼントなんだけど……」


「開けていい?」


「……いいけど、いらなかったら返してね!」