小さいころからずっと好き

新はわざとらしく驚く表情をする。



「珍しいは余計でしょ!あの日って新、喘息起こして見れなかったじゃん」



喘息持ちの新は、合宿時アレルギーが原因で2日目はお休みしていた。



「……今は大丈夫なの?」


「今は大丈夫、治ったわけではないけどね」



小学生高学年になると、新は水泳教室に通っていた。
その効果が出たのか、しだいに喘息は落ち着いてきた。



「だから、明日あの時の約束を果たさない?ちょうど同じ合宿先だし」


「え?」



いつもは私から約束することが多いのに、新から提案してくれるのは珍しい。



「……ほら、結局恋バナできなかったわけでしょ?思い出作りみたいな」


「新って、思い出作りしたいって思うんだ……」


「悪いですかー?」