小さいころからずっと好き

暗闇で分からないけれど、この柔軟剤の匂いは知っている。



「誰かいるのか!!」



声ですごく怖いと噂されている学年主任だとわかる。



「動かないで静かにして」



耳元でいつも聞く声が聞こえる。



「いないか……って、お前!西島!何やってるんだ!?」


「げっ!」



なつみは見つかったらしい。
『なんで~……私だけぇ~』と情けない声とともに、そのまま連行された。



「新……?」


「そうだよ、何やってんの」


「何って、永井の部屋行こうと思って……」


「あー……」



腕の力が緩む。


目が暗闇に慣れ、新の顔が見える。
見渡すとシーツがある。
リネン室だ。



「そういう新は何してたの?こんなところで」


「……逃げてた」