誕生日会から数日たったのにもかかわらず、いまだにプレゼントを渡せずにいた。
時間がたてばたつほど、渡すタイミングが分からなくなっていた。
「はぁ~」
「なーにため息ついてんの?」
机に突っ伏していると、はつらつとしたなつみの声が聞こえる。
「なつみは悩みがなくてよさそうねー」
「何―!なつみも悩みぐらいあるよ~!」
「例えば?」
「……悩みがないことが悩み?」
「それ、悩みないっていうのよ」
「へへ」
無邪気に笑うなつみの後ろから、新の姿が垣間見える。
新はいつも通り、眠そうな顔をしながら本を読んでいる。
ちなみに私も眠い。
昨日、新とゲームをしていたからだ。
「あ、そういえば、明日の準備終わった?」
