こちら元町診療所

内科は、風邪や喘息、流行性のウィルス、消化器系などを思い浮かべるが、ここで出来る外科処置は限られている。


手術室がないし、縫合などは出来るものの、大きな外科手術は無理なのだ。


中には外科で来院された方が、そのまま
伊東先生の整形になることもあるし、
手術が必要な人に限っては診察は
出来るものの、棗先生が勤務されている
大学病院にそのまま紹介される形を
とることになっている。



詳しくは聞いてないけれど、消化器や
腹部などの手術例を多く持つ先生みたい
なので、内科で異常が見つかった患者さんがそのまま棗先生の診察に引き継ぎ
も出来るみたいだ。


‥‥‥それにしてもだ。


「なんか‥‥若い患者さんが多くない?
 本当にみんな怪我してるの?」


叶先生の時も思ったけど、お二人が
見えてから患者様の平均年齢がかなり
下がってる気がする。


医事課の窓口から見渡せる待合室は、
今からアイドルの握手会でも始まるのかと思わせるようなファンがいるようにも
見えてしまう。


叶先生に会うと症状が軽くなったって
いう患者さんも多いから、目の保養も
治療としては大事なのだろうか?


とにかく、診療所的には、街の皆さんが
通いやすく安心できる場所になれば嬉しいから、トラブルだけは避けたいな‥‥


いつも通りに仕事を終え、昨日定時に
上がって出来なかった分を医事課に残り
事務仕事をしていた。


やっぱり慣れてない外科の算定は
緊張するし見慣れない。


総合病院で働いていた時は受付
だったから、会計は関わって来なかった
ので今更だけど勉強になる。


伊東先生も棗先生も、病名をすぐに
付けてくれるし、来月のレセプトも
これなら順調そうだ。


お姉ちゃんが退院して落ち着いたら、
お祝いがてら赤ちゃんの顔を見に
行きたいし、週末にでもプレゼントを
買いに行こうかな‥‥



『お疲れ様、靖子ちゃん。』


「あ、お疲れ様です‥。
 どうかされましたか?」


叶先生といい、棗先生も伊東先生も
本当に医事課によく顔を出す。


前任のお爺ちゃん先生なんて、仕事が
片付くと診察室でほっこり休憩する
人だったから、この3人に関しては
特別だ。


白衣を脱いでるってことは、
もう家に帰る前かな?
こんな時間までご苦労様です。


『ねぇ、君って大志の恋人?』


ドクン