こちら元町診療所

もう何度もされているキスなのに、
自分の気持ちを伝える前と後とでは
同じキスと思えないほど胸がキュッと
締め付けられる。


「‥ッ‥‥んッ!」


何度も角度を変えて絡め取られる舌に、
苦しくなると、そのままソファに寝かされ、しばらく先生の甘いキスに酔いしれていた。


出会った頃は先生とこんな関係に
なるなんて考えもしなかったから、
今でも不思議に思えてしまう‥‥


「んッ!!」


‥‥‥深いキス。
こんなキス‥今までした事ない‥‥‥


‥‥‥えっ!?


唇が塞がれたまま、カットソーの裾から滑り込んで来た先生の手が私の素肌を
撫でると、驚いて体がビクッと跳ねた。


『‥‥靖子?』


「ッ‥‥あの‥‥す、するんですか?」


2人とも良い大人だし、こういうのは
雰囲気や流れがあって自然に出来る
ものだけど、色々あって自分の準備も
出来てないから先生の手を掴んで
止めてしまった。


「‥‥今日‥その‥下着も普通ですし、
 そういうの‥久しぶりだから‥‥。
 ちゃんと見せれる準備しちゃダメ
 ですか?」


お風呂は入ったものの、体系だって
お肌だって手入れ出来てない。


真上から覆い被さり、至近距離で私を
見つめる熱っぽい色気漂う先生の目が
見れなくて、顔を横にそらす。


初めてでもないのに、一度気持ちを
認めてしまうと、好きという思いが
溢れ過ぎて戸惑っているのだ。


『フッ‥‥ごめん。可愛くて制御
 出来なかった。今はキスだけで
 我慢しておくよ。』


「ホッ‥‥‥ありがとうございま」
『次は辞めないから。』


ドキッ

体を起こされ、おでこに唇を落とされ
ると、その意味を悟り真っ赤になった
私を見て面白そうに先生が笑った。


『今日はこっち‥‥おいで。』


自分から泊まりたいと言った手前、
断れるわけもなく、手を引かれ連れて
行かれたのは先生の寝室だ。


今日は何もないからと安心したのも
束の間、私を腕の中に閉じ込めた
先生は満足そうに眠りについた。


色々あったけど、この香りに安心して
朝まで一度も起きなかった私も大概
スゴイ女だなと、目覚めた時に実感
したのだ。