こちら元町診療所

私‥‥昨日はハイペースで飲んで
‥それからどうやって帰ってきたっけ?


思い出せないけど、なんとか自分の
家に帰って来れたんだ‥‥。
課長かな‥後でお礼を言わないと‥‥。

時間が気になり、頭痛を感じつつも
スマホを手探りで探していく


ガサッ


ん?

何‥‥何かに手が‥‥当たった?

薄目を開けると、視界に映り込んだ
光景に、夢かと思いつつも、思いっきり目を見開いた


「ッ‥!!ちょっと‥な、な、なんで
 あなたが‥ここに!?」


緊張感が襲う中、目の前の美しい
顔面に慌てて自分の身なりを見ると、
着ていた洋服ではなくバスローブ姿な
自分に一気に青ざめる


そ、それに‥‥こ、ここ‥何処!?


自分の部屋だと思っていた部屋は、
見たこともない部屋で、眠っている
ベッドも今更ながら全然違うと気付く


まさか‥‥酔っ払って‥そのまま‥私‥
‥‥叶先生と?


『フッ‥‥朝から面白い百面相だね。
 おはよう‥可愛い酔っ払いさん。』


「ッ‥‥すみません‥‥あ、あの‥
 私‥ッ‥酔って記憶が‥‥。ここは、
 ど、何処ですか?」


バスローブから見える鎖骨の骨すら
色気と男らしさを感じさせ、目のやり場に困った私は視線を逸らす


ッ‥‥ああ‥‥頭が痛い‥‥
こんな風に記憶が飛ぶことなんて今まで
一度もなかったのに、飲み相手が悪いと
酔い方まで酷いのか?


『ここ?‥ここは俺の家だよ。』


えっ!?


『そして君は何度呼びかけても起きず、
 鞄の中を漁るわけにもいかないから
 仕方なく連れ帰ったら嘔吐したから
 着替えさせたよ。』


ええっ!?


『服は洗濯して乾燥したからそこに
 畳んであるよ。』


えええっ!!?


『残念だけど、君は爆睡でさ、
 起きる気配もないから寝かせた。
 ‥‥以上だけど何か質問ある?』


「‥ッ‥すみません!!
 ご迷惑をおかけしました!!」


いい大人が、初対面のしかも勤務先の
医師に迷惑をかけてしまうなんて、
恥ずかしさと情けなさで申し訳ない
気持ちが込み上がる


それなのに、私ときたら介抱して貰ったのに、よからぬ事を考えてしまってなんて最低なんだ‥‥


『フッ‥ハハッ‥‥もういいよ。
 頭が痛いだろう?少し待ってて。』

えっ?


フワッと頭に触れた手がそこを優しく撫でると、ベッドから先生が起き上がり部屋を出て行ってしまった。