『さぁ!先生飲んでくださいね。
ここの焼き鳥は最高なんですから。』
『ありがとうございます。とても
こじんまりとしたいい店ですね。』
はぁ?
『アッハッハ!!先生が居たとこに
比べたら小さな街ですからね。
中原君もささっ、飲んで?』
「‥‥‥‥‥」
なんで‥なんでこんな事になってるの?
疲れ果てた体を休めたくて事務仕事を
急いで終わらせたのに、目の前に座る
頭輝く部長と全身輝く叶先生に顔が歪む
『やっちゃん、体調悪いの?ヒッ!!』
今は仕事が終わったからその呼び方は
いいとして、イライラの矛先が義兄の
課長にどうしたって向けられてしまう
こじんまりとしたいい店ぇ?
医者レベルともなれば、コース料理が
出るような店の方がよく行くって?
第一‥なんでこの人はついて来たの?
30分前
『中原君達良かったらみんなで
ご飯に行かないかい?勿論奢るよ?』
部長の奢りなんて珍しい‥‥‥。
年に数回あるかないかなのにね。
『部長すみません。私今日これから
歯医者なんです。また是非誘って
ください。』
『僕も今日は友達と予定が入って
まして‥すみません。』
浜ちゃんと河野君は不参加となると、
部長と課長と3人かぁ‥‥。まぁ‥‥
気楽でいいか‥‥‥。2人を見送り
私もパソコンの電源を落とした。
「私は行きます。予定もないですし、
美味しいもの食べたいですから。」
『何処に行くの?』
へっ?
殺風景な医事課にいい香りと共に現れた眩しい人物が、私のデスクに片手を置き上から私を見下ろしてきた。
「‥えっと‥‥何かご用ですか?」
失礼な言い方だけど、まだ居たんだね。
目を合わせると眼球を溶かされそうで
キョロキョロ左右に泳がせながらも
冷や汗が出そうになるのを堪える
『叶先生お疲れ様です!!
これから行きつけのお店にみんなで
食事に行くんですよ。』
おいっ!!課長!!!



