こちら元町診療所

少しだけ汗ばんだオデコに触れてから
また頬をさすると、大志さんが私の
手を握りそこに唇を落とした。


『靖子には隠せないな‥‥‥。
 後で話を聞いてくれる?』


「ん‥‥聞きたい‥‥アッ!!」


胸の頂を咥えられながらも激しく
与えられる律動に何も考えられなく
なりそうだった。それでも、大志さん
を抱きしめることしか出来ず、汗ばむ
肌にしがみついた。





『ごめん‥‥。今日はなるべく冷静で
 いたかったけど、いざ目の前にする
 と自分の小ささを改めて感じたよ。
 それよりも、会ってたことを言って
 くれてたらもう少し警戒出来たん
 だから、今後はちゃんと言うこと。
 あの人は靖子が思うより恐ろしい
 人だから。』


チュっと音を立てて首筋に唇を寄せる
大志さんが大きな溜息を吐いた。


以前京都の旅館を先生が予約してくれたから、何となく分かってはいたものの、ご両親が国内と海外で数多くのホテル
を経営する凄い人だったことを聞いた。


伊東先生のお母様と離婚されて、今の
大志さんのお母様と再婚されたものの、
殆ど伊東先生の家で育ち2人とも祖父の
影響で医者を目指したことも知れた。


大志さんのお父さんは全てを大志さんの
お母さんに任せているようで、叶家の
全ての権限はあのお母さんにあるようだ


そんな凄い家系の人にあんなに啖呵を
切ったことを思い返すだけで、全身
が冷えていく


「私‥‥大志さんと釣り合わないなんて
 じゅうぶん分かってます。」


『靖子?』


「でも‥‥身分とか立場とかそういうの
 は関係なく、大志さんがもし事務員
 をしていてもきっと私は惹かれて
 いたと思うんです。だから‥‥その
 ‥受け入れてもらえないことは
 分かってますが離れたくないです。」


腰に回された大志さんの腕に自分の
手を重ねるとそこをギュッと握った


私から離れたいと言うつもりはない‥。


それでも大志さんが今後ああいった
事に巻き込まれてツラくなるなら、
大切だからこそ離れるべきなのかも
しれない。


「我儘は言うつもりはないんです。
 困らせてごめんなさ‥ッ‥ん‥」


後ろから顎を上に向かされて唇を
塞がれると、甘い舌に酔いしれる


『心配しないでいい。やっとこの腕に
 抱きしめる事が出来たのに離すわけ
 ないだろう?ただそうだな‥‥。
 あの人が簡単に引き下がることは
 ないから、暫くお姉さんのところに
 住むことは難しいだろうか?』


えっ?