海におちてく

ジリジリな太陽に照らされながら水族館のエントランスに潜り込むと、爽くんと蛍ちゃんが外は暑かったでしょなんて言いながらソフトクリームを持って待っててくれてた。

甘いー!ひやっこいー!

そして塩がかかってる!熱中症対策…!

『美味しい?』なんて爽くんが頭をポンポンってしてきた。

少しだけドキドキした自分が悪いことをしてるみたいで、慌てて蛍ちゃんの方を向いたら、

『ずるい、私もー!』

って優しく撫でてくれた。

甘やかされてるな、私。

なんとなく二人にとってペットみたいな扱いなんじゃないかな?もう、難しい事なんて考えないで、わんこみたいにしてれば楽なんじゃないかな?

なんてわけわかんないことを考えてコーンの最後の三角の部分を口に詰め込んだ時に

『おそーい!海(うみ)ちゃん!』

って蛍ちゃんが言った。

うみちゃん?

口をサクサクしながら振り返る。

『もー!また真っ黒クロスケみたいに全部黒にしてー!』

『…あ!』

私がさっき海で泣いてた…と言い掛けたところで、男の子が先に口を開いた。

『…蛍、これ、どういうこと?』

ギロッと私を睨んで

『あんた誰?』



…こっわー…

目付き、わるー…

ていうか、あなたこそ誰!?