四神の国の白虎さま

「……ねぇ、玄武。魔力持ちらしき人間見つけたから、玄武のところに連れてってもいい?」

……四神が見えるということは、心春もあの島に行くことが出来るはず。ここにいるより、島にいた方が安全だ。

『え?いいけど……』

「玄武の近くに、紫陽いるよね?紫陽に伝えて。心晴を連れて、そっち行くからって」

『……分かった。2人とも、頼んだよ』

その声を最後に玄武との通信が切れて、俺は耳飾りから手を離すと朱雀と目を合わせる。

俺と朱雀は、同時に無言で頷く。そして、俺は心晴に近づいた。

「ごめんね。あとで説明する。とりあえず、今は俺と一緒に来て……今から向かう場所に、紫陽が……君の兄が、待っているから」

俺の言葉に、心晴は戸惑った表情を浮かべながらも頷いてくれる。

心晴の許可を得て、俺は心晴を抱えた。

「……朱雀、頼んだよ」

それだけ言い残して、俺は全力疾走で転送装置のある場所まで向かう。

「はっや……」

俺は、四神の中で1番足が速い。俺が全力で走ると、人間離れしたスピードが出る。

どれくらいのスピードが出ているのかは、測ったことないから分からないけど。

転送装置で心晴を抱えたまま島まで移動して、そこからも他の四神の島へ繋がっている虹の橋を走って、玄武のいるもとへ向かった。