四神の国の白虎さま

俺は風に乗って空を飛んだまま、今の状況、怪異の特徴を皆に伝える。

『……うーん……多分、あの怪異かなぁ……確か、物理での攻撃は通用しなかったはず……術にも耐性があったはずなんだよね。耐久力はそこそこで――ん?ごめん、一旦切るね』

玄武の声は、それ以降途絶えた。俺は、そっと耳飾りから手を離すとゆっくりと高度を下げる。

朱雀の隣に、俺は着地した。朱雀の背中にあった羽は、いつの間にか消えている。

「朱雀」

俺が朱雀に声をかけると、朱雀は俺の方を見た。

「白虎、怪異を――」

朱雀がそう言いかけた、その時だった。

「あの……」

近くで声がして、俺の裾が引っ張られる。声がした方を見ると、最近見た覚えのある子――心晴がそこには居た。

え、どうして?……心晴は、俺ら四神や怪異は見えないって紫陽が言っていたような……。

「確か、君は……紫陽の弟の……」

「え?あ、はい……心晴です。兄の……紫陽の知り合いですか?」

「……えっと、まぁ……そんな感じ、です」

『――朱雀に白虎、聞こえる?』

俺が言葉を濁して答えた時、玄武から連絡が来て、俺は耳飾りに手を当てた。

「聞こえているよ」

俺と朱雀は、同時に返事をする。

『ごめんね。急に通信切っちゃって。その怪異は朱雀に任せて、白虎は僕のもとに戻ってきて欲しいんだ。指示は、それから出す。朱雀は、今青龍がそっちに向かってる。それまで、耐えて』