「ネオンちゃん 背高いねー」
話しかけられやすい要素があるわたしは友だちも比較的早くできた
でもその要素はいいことばかりではなかった
《目立つ》要素とは良くも悪くも働くものだ
知恵の少しついた中学生くらいともなると尚更…

「せんせー! 前がみえませーん!」
ホームルーム中わたしの後ろの男子が笑いながら声を上げる
まだ新しいクラスになって間もなく出席番号順に座っているにも関わらず、だ
こういう調子のいいやつはいつでもどこにでもいる わたしはぐっと堪えるしかなかった
そういう連中は似たもの同士で集まることも多くわたしに対する口撃も✕(かける)人数分になる

『出席番号順に座ってるんだし わたしが悪いわけないじゃん』 そう思うことで自分を慰める そういう行為には慣れてたから 

しばらくして席替えがおこなわれわたしは定位置の一番後ろの席になった
少なくとも『前が見えない』はなくなったことでホッとした と同時に中学に入ってもまだこんなことが起きてくんだろうなと一抹の不安も感じていた

「あの子ね小学校の時から調子いいタイプなんだよ 相手にしちゃ損だよ」

そう言ってわたしに話しかけてきてくれたのは隣の席の女の子「花凜(かりん)ちゃん」だ

カリンちゃんは小学校は違うけど最初から気さくに話しかけてくれてた もちろん目立つことが有意義に働いた結果だった 隣の席ってのもあって他校の友だちじゃ第一号ってなった子だった

新しい友だちができるのは中学生になる楽しみの一つだったからすごく嬉しかった