落ちてく、上がってく


じょき じょき じょき…

サラッ サラサラッ…

ちょきちょきちょきちょき

サラサラッ サラッ…

心地よい音が耳元で聞こえる
くすぐったいような 時にゾワッとするような感じ

『誰でもみんなこの音気持ちよく聞こえんのかなー?』

なんて、音に神経を集中しながら考える

気持ちよくてうとうとしがちな目を開いて前を見る
その先にはわたしの顔があった
見慣れた顔だった そりゃそうだ毎日見てるもん
でも、毎日見てるからこそわかる 今の顔はここに来た時よりも明るい
目を瞑って聞こえてくる音に耳を澄ませてる世界と、今こうして目を開いて見えてる世界が少しずつ同期して来てるような感覚
それは自分を取り戻してるかのような感覚だった