またあえたらいいね

もとは、根が明るく、私は暗い。
真逆の人間だった。

ある日、いつものように教室前で話していると、同じ塾に通う藤宮さんが近づいてきた。
「孝希!ちょっときて!」
と、腕を引いて行ってしまった。
まだ話の途中なのに。私の彼氏なのに。

ありえない。

前々から、そんな気はしていた。
藤宮さんはもとに気がある。
わかっていた。誰が見てもわかる距離間だ。
だから私は彼に伝えたことがあった。
「藤宮さんは、もとのことが好きだと思うの、。不安だから少し距離置いてくれないかな。」
しかし、
「心晴の考えすぎだよ!」
と笑い飛ばされてしまったのだ。


そんなことを思い出していると、後ろから女子のひそひそ話が聞こえてきた。

「咲奈ちゃんと橋本君って付き合ってるのかな!お似合いだよね!」

疲れてしまった。
私は伝えた。しっかりと。
でもいつももとと話していると藤宮さんがこっちを見ている。
もとは藤宮さんにボディータッチされてもにこにこしている。
なんでわからないんだ。そう考えているうちに、なぜもとのことが好きなのか、付き合っているのか、わからなくなってしまった。


思い立ったが吉日。
ー別れたい。
そう送ってスマホを閉じた。