まだ9:30だというのに洗濯ものは乾いているように見える。
外はどのくらいあついのだろろうか。
「それでは挨拶してはじめましょう。こんにちはー。」
塾長の声かけとともにみんなか挨拶をする。
多くの生徒が集中するなかわたしはぼーっと黒板を見ていた。
この頃視力が落ちてきて何も見えなかった。
なんとか黒板をうつし、授業が終わる。
一番うしろの3人掛けの席。右2人は仲良さそうに話している。
右端に座るのは私の幼なじみだが中央の人は全く知らない男子。
仲の良い 葵生と話せずに少しがっかりしていた。
それに感づいてか、葵生は私を入れ、3人で話そうとしてきた。
人見知りをするような性格ではなかかたのですぐ仲良くなれた。
授業が終わる度、3人で話し いつしか2人でも話すようになっていた。
そんなある日の帰り道、葵生は「孝希と心晴にくっついてほしいー」とふざけて言ってきた。
「もとと?」
と私が返事をすると、真剣そうにうなずいた。
たしかに最近中学校でもカップルは増えてきていた。
しかと自分になること どうもしっくりこない。
しかし、それから数日もたつと葵生 の言葉を気にしてか 孝希のことを意識しだすようになった。
もとー橋本孝希ーとはもと、三好と呼び合う仲にまでなれていた。
忘れもしない1月20日。
もととの電話の約束のため、私は走って下校した。
帰るともとから一通のライン。
ーかぜひいて電話できないー
ショックより 心配が勝った。
メールでいいかと聞かれ雑談の言と思い、いいと答えるとすぐに
「好きです。つき合ってください」
と、見えた。
時間が止まったように感じた。
本当に言っているのだろうか。私は性格がいいほうでも、顔がいいわけでもない。
どうして私?と考えたのは、
こちらこそよろしくと可愛げのない返事を送ってしまった後だった。
それからというもの、もとは人が変わったかのようにデレデレだった。
毎休み時間教室に話に来てはぎりぎりの時間に帰って行ったり、まさか、委員会まで一緒になるとは。
それがうれしかった。こんな幸せな日々がずっと続いてほしいと、心から願えた人生初の感情はきっと忘れることはない。
