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「僕達“兵器”には、種類があります。殺戮型、隠密型、守備型。そして自爆型。……僕です」
エミリオが自身の胸に手を当てる。
「自爆型の特徴は、無差別攻撃に特化していて破壊力が絶大というところです。戦闘能力は低いですが、自爆コードを唱えることにより一瞬で辺りを火の海することも可能です」
彼の声は他人事を語るように淡々としていた。
「もう一つ、自爆型の最大の特徴は、体の再生です。何度自爆しても、その度に体はもとの形に再生します。ですから自爆型のみ、死亡することがありません。自爆型以外の兵器も人間のような寿命はありませんから、そういった点では死からは遠い存在でしょう。しかし流石に、心臓を貫いて首を切り落とせば死に至ります」
少しだけ、吐息がこぼれる。
「自爆型の場合は、首を切り落とされても再生するので本当に死への道がありません。終わらない生。それしかないんです」
エミリオは笑顔でこう締めくくった。
「ですから、僕は自爆したところで何度でも蘇ります。安心してください」
今リーシャはいかにエミリオの自爆プランが安全・安心であるかを説明されていた。
だがリーシャは思う。
(安心できる要素、あった……?)
今の説明でリーシャに「安心しろ」と言うエミリオはなかなかの鬼畜だ。
再生するから良いってものじゃないだろうとリーシャは切実にツッコミたかった。
「ねえ……エミリオ……」
「無駄ですよ。貴女の命がかかっているんです。さあ、僕の手を握ってください」
「そん、な……」
他の方法を探そう、と説得することも許してもらえない。
死んでも再生するエミリオに呪いを移してしまえば、確かにこの問題は簡単に解決するのだろう。
だけれども、だ。


