自爆しないで旦那様!



***

マリーとあんな会話をしてからというもの、ふとエミリオのことが気になってしまう。

そんな日々を過ごしていたリーシャはある日、本当にたまたまその現場を目撃して固まった。

「好きです!エミリオくん!」

告白、である。

あまり人が通らない校舎裏。

緑が多いそこには野鳥がたくさんいる。

今度の課題は鳥との会話なので、リーシャは空き時間に練習しようと訪れたのだが。

(エミリオって、この前も告白されてたんだよね?そんなに女子から人気あるの?まあ、顔は綺麗だしカッコいいし、ちょっと口うるさいけど優しいし、好かれるのもわからなくは……)

女子にキャーキャー言われるエミリオを想像してリーシャの頭がズンと重くなる。

なんだろうか、このズッシリ感。

(あの子は……誰だろう?エミリオと同じ学科の子かな?)

リーシャが知らない相手だった。

明るい金髪が綺麗な可愛らしい子だ。

太い木に体を隠して、そっと聞き耳を立てる。

リーシャはハッキリとエミリオの返答を聞いた。

「ありがとうございます。貴女からの好意はとても嬉しいです」

リーシャの胸がチクンと痛む。

(そっか……エミリオは、彼女のことが……)

好きなのだ。

そう理解しようとした時だった。

エミリオが淡々と続けた。

「ですが、貴女はいったい僕の何を見て、感じて、好意を抱いてくださったのですか?貴女は僕を好きだと言いますが、僕は貴女に特別優しくした記憶はありません。貴女に対する僕のどういった行動が心を動かしたのか、参考までにお聞きしたいのですが、よろしいですか?」