自爆しないで旦那様!



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さて、今日も空は雲一つない快晴である。

大学にて、昼休みの時間にリーシャはいつもの場所でベンチに座りマリーを待っていた。

しかし、なぜかやって来たのはエミリオだった。

「リーシャ」

「あれ?エミリオ?どうしたの?」

「マリーからの伝言です。未提出の課題がまだ終わっていないので一緒にお昼は食べられない、とのことです」

「そうなんだ……マリーちゃんの学科も大変そうだよね」

自然魔術学部の四大元素学科。

それがマリーの所属する学科だ。

リーシャの学科とは異なり、風、火、水、大地の四大元素を原動力とする魔術を専門に勉強する。

(魔術って奥深いよね。学部や学科によって、やること全然違うなんて)

だからこそ面白い。

エミリオはもちろん、リーシャもそう思っている生徒の一人だ。

「……なので、ですね。その、僕で……よろしければ……」

「ん?エミリオ、何か言った?」

ボソボソと小さく話すエミリオにリーシャが耳を傾ける。

彼は意を決して腹から声を出した。

「ぼ……僕がお昼を、ご一緒します!!」

「え、いいの?」

「もちろんです」

「じゃあ一緒に食べよう?ここ座って?」

「ありがとうございます。失礼します」

少し緊張した様子でエミリオがリーシャの隣に腰掛ける。

それから二人でお弁当を広げた。

「エミリオのお弁当は誰が作ってるの?」

「僕です」

「えっ!いつも!?」

「はい。基本的に自分のことは自分でするようにしています」

「偉いね。私なんてオーチェに頼りっぱなしだよ」

エミリオはサラダを食べる手を止め、ミニハンバーグを頬張るリーシャをチラリと見た。

「……オーチェと二人で、住んでいるのですよね?」

「うん。あ、ラズもいるけど」

「そんなに“僕達”に囲まれていて……不安になったりしませんか?」

「ん……そういうのは、あんまり……感じないかな」

「そうですか……」