自爆しないで旦那様!



***

 とある日の夕方。

今日の授業が全て終わり、リーシャは教室から出て廊下を歩いていた。

そんな時である。

タタタと小走りで見知った人物が近寄ってきた。

「リッちゃ~ん!一緒に帰りましょう!」

今日も元気なマリーの登場だ。

「いいよ」

「やったぁ!」

ピョンと軽くジャンプして喜びを表してから、マリーは少し照れたようにリーシャを見つめた。

「あのね、それでね、リッちゃんこの後ちょっと時間あるかしら?」

「時間?あるけど……?」

「ならレストランに行きましょう!美味しいお店を知ってるの!」

「え。じゃあオーチェに一言、伝えなきゃ」

この時間にレストランへ行って何か食べるなら夕食はいらなくなる。

料理を作って待っていてくれるオーチェに連絡は必要だ。

そう思ったリーシャだったが。

「チェるチェるにはマリーちゃんから連絡しておいたのよ!だから心配しないで!ね?」

「それなら……うん。わかった。行こっか、マリーちゃん」

「ええ!」

それからマリーが案内してくれたレストランはアルブの町のメインストリートから外れた場所にあった。

店内は狭く、お客さんの入りはまばらだ。

「こんなところにレストランなんてあったんだ……」

「ここね、知る人ぞ知る!って感じのお店なの!お客様は少ないけど料理はどれもとっても美味しいから、絶対リッちゃん気に入ると思うわ!」

「それは楽しみ」

メニューを見ながらマリーにオススメを尋ねるリーシャ。

量や味付けの質問をすればマリーはさながら店員のように詳しく教えてくれた。

「じゃあ、リッちゃんはチキンね。マリーちゃんは羊さんにするわ!すみませーん」