自爆しないで旦那様!


それから更に別の日。

リーシャは公園で動物会話の練習をしていた。

公園に多くいる野良猫を相手に会話を試みる。

「みゃ~」

とリーシャが話し掛ければ。

「にゃう?」

返事は来るものの。

(ダメだ……。通じる子と通じない子がいる。今のにゃんこは通じないタイプの子だ)

なぜか百発百中とはいかない。

「エミリオに教わって、だいぶマシになったんだけどな……」

落ち込みつつも練習あるのみだと自分を励まし、疲れたので気分転換に少し散歩をしようと歩き出す。

すると、これまた偶然。

湖のほとりに佇むエミリオを見つけた。

「最近、よく会うなぁ」

つい独り言がこぼれる。

ボンヤリとエミリオを見つめるリーシャ。

そんな彼女の視線を感じ取ったのか、エミリオがこちらに振り返った。

「っ……リーシャ」

驚く彼の表情がなんだかおかしくて、小さく笑いながらエミリオへと近寄る。

リーシャは彼の隣に立った。

「こんにちは。なんか最近、よく会うね」

「……貴女は僕のストーカーなんですか?」

「違うよ!全部偶然だから!」

「その偶然において、常に貴女は僕へと近寄ってくるんですね」

やれやれと、エミリオは溜息を吐く。

「あんな話を聞いて……僕が人間ではないと知ったはずなのに、どうして近寄ってくるんですか?」

「え?」

「わかりませんか?僕は自爆型の兵器ですよ?怖くないんですか?」

(怖い……?エミリオのことが……?)