エミリオが叫んだ。
「ラズ!!その説明はあまりにっ……あまりにも、人間味がありません!あんまりです!自分をそんなふうに語らないでください!」
「エミリオくん、でもこれが事実でしょ?俺達の……事実でしょ」
ラズの冷たい眼差しがエミリオに刺さる。
その眼差しがあまりにも悲しくてエミリオは泣きたくなった。
そんな凍ったような瞳で、現実を受け入れるしかなかった自分を見ているようだ。
けれど、ラズのように投げやりにはなりたくない。
エミリオは歯を食いしばる。
「……では、僕も言えば良いんですか?この体が、自爆してきた回数を!!」
怒りがあった。
ラズに対して、それから自身への、激しい怒り。
「僕はそんなのゴメンです。……失礼します」
それだけ言うと、エミリオは逃げるように玄関から外へ出て行ってしまった。
「……意地悪、言い過ぎちゃったかな?」
ボソリとラズが呟いた、その時。
リビングの方からマリーが現れた。
まだボンヤリしているようで、歩きながら体がフラフラしている。
慌ててリーシャは駆け寄った。
「マリーちゃん、大丈夫?こっちに座って」
「んにゅ……ここは……リッちゃんの、おうち?」
「うん、そうだよ。気分は平気?何か飲む?」
尋ねたら、なぜかマリーは大きく目を見開いた。
そして勢い良くリーシャに迫る。
「た、大変なの!!マリーちゃん、マリーちゃん、リッちゃんのこと……傷つけてない!?」
「え?」
「血を見て、殺さなきゃって思って……マリーちゃん、リッちゃんのこと殺してない!?大丈夫!?」
マリーは殺戮型。
それを思い出したリーシャは、彼女が安心するような柔らかい笑みを浮かべた。
「大丈夫だよ。私は怪我すらしてないから」


