自爆しないで旦那様!


かなり親しげな会話である。

しかもマリーの方がリーシャよりもラズに詳しいらしい。

「仕事」に関して、リーシャは初耳だ。

「……ラズ、仕事してるの?」

「ふふん。俺ってば、できる爬虫類だから」

「芸でもするの?」

「リッちゃーん、その可愛い顔面に蹴りいれるよ、本気で」

「リッちゃん、ラズりんのお仕事はね、こーー」

マリーが何か言いかけた時、ラズが大ジャンプを繰り出した。

「怒りのマジギレラズキーック!!」

「ぎゃう!!」

マリーの顔面にエリマキトカゲの蹴りが入る。

割りと力強かったのか、マリーはふらついた。

「マリーちゃん!?大丈夫!?」

「うぅ~、予想外だったのよ!まさかラズりんが正面から攻撃してくるなんて思わなかったわ!」

「マリーちゃん、俺には俺なりの事情があんの。喋ったらぶっ殺すよ」

「むう。わかったわ。勝手におしゃべりは良くないものね」

とその時。

――コンコン

出し抜けにノックの音がした。

それと同時に許可も得ずオーチェが入ってくる。

「失礼するよ。リーシャ、アップルパイ焼いたから食べない?」