そうと決めたら行動は素早い。
マリーを引っ張り急いで階段を上がると、リーシャは自室の扉を開けた。
そうして二人、部屋に落ち着くも、入った瞬間マリーはベッドで寛いでいる爬虫類を発見して叫んだ。
「ああ!!ラズりん!!」
「ん?げっ!!」
こっちも知り合いか。
どうリアクションをすればいいのかリーシャは困った。
取り敢えずオーチェが追って来られないよう部屋の扉を閉める。
その間にマリーはエリマキトカゲへと近寄っていた。
「ラズりーん!!こんな変わり果てた姿になって……!可哀想に。苦労したのね、よしよし」
「変わり果ててないから!!言葉選び大事!」
「えっ、でも……前はもう少し髪の毛あった気がするの」
「ほっとけ!!」
何やら聞き捨てならないセリフが聞こえた気がする。
リーシャは恐る恐るラズに問いかけた。
「もしや、ラズ……ハゲた?」
「リッちゃん?殴るよ?」
凄むエリマキトカゲにリーシャはクスリと笑う。
そんな飼い主を睨みながらラズはベッドの上でピョンと跳ねた。
「で、マリーちゃんは何しに来たの?」
「遊びに来たの!」
「それはまあ、能天気なことで」
「むう。ラズりんに言われたくないのよ。ラズりんこそ、リッちゃんのお部屋で何をしてるの?お仕事は?」
「んー。休業中」


