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「お邪魔しまーすなの!」
「いらっしゃい、マリーちゃん」
「素敵なお家ね!さすがリッちゃんなのよ」
とある休日の昼下がり。
リーシャの家にマリーが遊びに来てくれた。
この町で暮らすようになってから友達を家に招くのは初めてで、リーシャが普段よりもウキウキしていると。
「リーシャ、お客さんて……あっ」
「あら?」
キッチンから玄関へと顔を出した同居人オーチェを見て、マリーが目を丸くする。
一方、オーチェはなぜか気まずそうに自分の額を指で押さえた。
「オーチェ?どうかしたの?」
「あ~!もしかしてチェるチェる!?」
「……え?」
聞き間違いかと思った。
「チェるチェる」とは、オーチェのことだろうか。
リーシャは訳がわからずオーチェとマリーを交互に見る。
「……やあマリー、久しぶりだね出ていって」
「ヒドイ!それは冷たすぎると思うのチェるチェる」
「君に優しくしてどうするの」
マリーとオーチェ。
初めて会うのかと思いきや、二人はまさかの知り合いだった。
しかし仲良くはなさそうだ。
というより、オーチェがマリーを一方的に煙たがっている感じがしてリーシャは慌てた。
気に入らない相手にはすぐナイフをちらつかせるオーチェである。
(オーチェがナイフを出す前に、マリーちゃんを部屋に案内しなきゃ……!)


