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「ただいま戻りました」
廊下からエミリオの声がする。
ルイと一緒にリビングにいたリーシャは急いで声の方へ向かった。
「お帰り!みんな、無事?オーチェは?」
「無事ですよ」
廊下に出れば、エミリオを先頭にオーチェ、マリー、ラズの姿が。
「ただいまリーシャ。すぐ帰って来れなくてごめんね」
「オーチェ……良かった……」
ちゃんと戻ってきた普段通りのオーチェを見て、リーシャが心の底から安堵する。
「リッちゃーん!ただいま、なの!」
ホッとしていたリーシャは、オーチェの後ろにいたマリーを目にしてギョッとした。
「マリーちゃん、血が!」
「あら?」
マリーの髪や服に血がベッタリと付着している。
首を傾げているあたり、マリー自身気づいていなかったようだ。
「大丈夫よ。これはマリーちゃんの血じゃないから」
どうやら全て返り血らしい。
ニコニコしながら説明するマリーに、オーチェはふむと考えた。
「マリーが血を見ても暴走しないってことは、既に一回ブチギレたのかな?僕と合流した時はもう落ち着いてたよね」
「んー、どうだったかしら?」
「すっとぼけんなよー、マリーちゃん。俺が止めに入ったでしょーが」
ラズが呆れながらリビングへ向かう。
そこではルイが寛いでいた。
「ルイくん、こっちはどうだった?」
「少しだけ。大したことはなかったよ」
にこやかに笑って静かに話を終わらせる。
その時、キッチンからリーシャの母親が顔を出した。
「あら、戻ってきたのね。お帰りなさい。夕食まだでしょう?みんなの分も作ったから食べてって」
「ありがとうございます、いただきます」
「ありがとうなの!」
「食事の前にマリーちゃんはお風呂だよ!ママ、お風呂いいよね?」
「いいわよ〜。あっ、おじいちゃんが入ってなければね」
「わかった、見てくる。あとオーチェ、服に血がついてるから食事の前に着替えてね」
「ついてる?ああ、ホントだ。リーシャに言われなきゃ気づかなかったよ。マリー程じゃないから、このままでも良くない?」
「良くない!」


