エミリオが簡潔に説明すると、マリーはノリノリで拳を握った。
「なるほどなの!殴り込みならマリーちゃん得意だから協力するわ!」
「おっ、頼もしいね〜。さすがマリーちゃん」
「全く……。暴れるのは程々にしてくださいよ?目的はオーチェの救出です」
「エミリオくんはサポートよろしく。自爆はしなくていいからさ、得意の魔術で俺とマリーちゃんを援護してくんない?」
「わかりました。敵の動きを封じたり捕縛したりすることは可能です。その他、マリーの防御の強化やラズの体力の回復など、適宜おこないます」
「おお!俺とマリーちゃんの弱点、ちゃーんと把握してんのな」
「当たり前です。仲間だったんですから」
サラリと言ったエミリオの「仲間だった」発言に、マリーはブンブンと首を横に振る。
「今もなのよエミりん!今も、マリーちゃんはエミりんとラズりんを仲間だと思ってるわ!それにね、今はね、リッちゃんもお友達で仲間なのよ!」
三人が一斉にリーシャを見る。
仲間と言われ、なんだかくすぐったくなってリーシャはちょっぴり俯いた。
「でも、三人で行くの?私は?」
ラズに問えば、当たり前の如くこの指示が出される。
「リッちゃんは留守番な」
「私も行く」
「いやあのな?話聞いてた?狙われてるのはリッちゃんもなんだぜ?自分からあっぶねぇ敵に会いに行ってどうすんの?」
「でも、オーチェが……」
自分も一緒に行動してオーチェの状況を把握したい、とリーシャは考える。
ただ待っているだけは一番ツライのだ。
それなのに、エミリオもラズもリーシャは留守番決定という方向で話を進めていく。
「リーシャを置いていくにしても、一人にさせるのは不安なんですが」
「だよな。そ、こ、で、だ。リッちゃん、いったん実家に戻るぞ」
「えっ?」
驚くリーシャに向かって、ラズは綺麗な笑みを作った。
「リッちゃんは俺達がいない間、実家で留守番な。しっかりルイパパに守ってもらうよーに」


