自爆しないで旦那様!


納得したように頷くエミリオだが、リーシャは腑に落ちない。

すかさず疑問を口にした。

「待って。その理由でオーチェが狙われるのはわかるわ。でも私は関係ないと思うんだけど……?」

このリーシャの反応はもっともだ。

ラズとエミリオが顔を見合わせる。

「……あー、言ってもいいと思う?後から俺、オーチェくんに消されない?」

「この場合、仕方ないんじゃないですか?消されそうになったら僕からも、ちゃんとオーチェに説明しますよ」

「信じてるぞ、エミリオくん!」

リーシャとマリーは置いてきぼりに、男達だけで話がまとまった。

ラズが改まった様子でリーシャに話しかける。

「リッちゃん、実はな。その、あれだ。この前さ、俺の知り合いの人工魔術生命体に、人間と結婚して子供まで作った奴がいるって話をしたじゃん?」

「ええ。あの時の話ね。覚えてる。それがどうかした?」

「その人間と結婚した人工魔術生命体っていうのが、リッちゃんのパパ……ルイくん、なんだよね」

「は……?」

リーシャは耳を疑った。

誰のパパがなんだというのか。

「つまりリッちゃんが、人工魔術生命体と人間の間に生まれた初めての子供ってこと。わかるか?」

驚きで数秒固まっていたリーシャだが、ハッと我に返り声を上げた。

「う、嘘でしょ!?そんな話、パパやママから一度も聞いたことない……!」

「そうなの?マリーちゃんは聞いたわ!フェルフェルが教えてくれたのよ!」

「フェルフェル……?」

まさかマリーまで知っていたとは。

フェルフェルという名前に首を傾げながら、リーシャは衝撃を受けた。

「ギーフェルくんのことじゃない?リッちゃんのおじいちゃんは俺達の体の健康チェックを定期的にしてるから、会ってお喋りくらいするんだよね」