自爆しないで旦那様!



***

 翌朝、リーシャが自室で大学へ行く支度をしていると、ラズがひょっこり現れた。

何やらヨイショヨイショと運んでいる。

「リッちゃん、これあげる」

「え……何?これ」

エリマキトカゲが抱えていたのはリーシャの手にすっぽり収まるほどの小瓶だった。

「栄養ドリンク!俺からの愛情がたーっぷり詰まってるから、残さず飲むように!」

それだけ言うと、ラズはササッといなくなってしまった。

リーシャの机に栄養ドリンクなるものを残して。

「……怪しすぎる」

でもせっかくラズがくれたものなのだ。

それにぶっちゃけ、どんな味か興味がある。

リーシャは好奇心に負けて小瓶を手に取った。

そして蓋を開け、コクンと一口飲んでみる。

「あっ、美味しい!」

意外にも、甘くてトロリとしていて美味しい。

リーシャはゴクゴクと残りも全て飲んでしまった。



さて、そんなことがあってから数時間後。

それは大学内にて突然起こった。

「ワン!?(えっ!?)」

リーシャはなぜか、犬になってしまった。

「ワンワン!?(どういうこと!?)」

何か喋ろうとしても口からは「ワン」しか出てこない。

これでは魔術を唱えてどうにかすることもできないと悟る。