「仕方ない、碧が覚えてないんなら話すけど 碧が覚えてない以上おれの話しも信じれるもんだとも思えん… それが本当だと証明できるもんは碧の記憶だけなんだから…」
確かにそうだ、わたしが思い出せないなら大空くんの話しの内容いかんでは信じることができない可能性がある… だからこそ話しを聞いてみなければ!としかわたしは思えなかった
「それでも話して? 聞きたいし、知りたい…」
ゴクリと生唾を飲んでからの言葉だった
この部屋に入ってまだ何分と経っていないのに もうなにか決断を迫られてるかのような気分だ
大空くんは意を決したように話し始める
「おれは小学5年生の時に〇〇小学校に転校してきた
5年2組だ…」
〇〇小学校…5年2組? それってわたしと同じ学校、同じクラス…?
「今日みたいに転校してすぐに隣の席になった碧とおれはすぐに仲良くなった お互いプールや体育が好きなところで息が合って、男女なんて関係なく一番の友だちになってった…」
「ちょっと待って? わたし体育とか好きじゃないし、プールなんて興味ないよ? 中学からずっと美術部だし、やっぱ同姓同名の別人なんじゃないかな?」
大空くんの話しに思わず反論していた
始まったばかりの話しにいきなり納得できない点があったからだ 別人の話しだとしたら聞く意味すらないと本気で思ってた
「まぁ、聞けよ… おれだっていろいろ戸惑ってる
だけどこんなこと話したくても今まで誰にも話すことはできなかった もしおまえがあの『碧』なら、おれには言わなくちゃならないことがあるんだ…」
大空くんから感じるこの切実さはなんなんだろう
もし別人だったとして わたしなんかが聞いてもいい話しなんだろうか…



