「青ちゃんにもらったもの、とっても綺麗な石、再会を願う石、『ラブラドライト』 青ちゃんの大切な想いがつまった石をわたしの不注意からプールに落としてしまったの… プレゼントが嬉しくてプールサイドで開けちゃったせいで…」
全ての始まり… それは、軽率なわたしの行動だった
「咄嗟に、反射的にプールに飛び込んでた 静かにプールの底に沈んで行く石が見えて必死で取りに行こうとしてた 結果、石が排水溝に吸い込まれて行くのが見えた… 途端にわたしはパニックになって息ができなくなった… そして、気づいたら病院だった」
「そっか、あん時そんなことがあったんだ… おれも運悪く飲み物の自販機が故障してて他の自販機を探してた… 時間がかかったせいで碧を助けれなかった… 戻った時には碧は運び出されてくところだった… バカだな、石なんかどうでもよかったのに… 再会を願う石のせいで碧に会えなくなるなんて そっちのがおかしな話しじゃねぇか…」
「バカじゃない! わたしにとって大切なことだったから… わたしは溺れたのとショックとで軽い記憶障害になってたんだって… 退院できた時には青ちゃんは引っ越していなくなってた… わたしの中に後悔しかない記憶をわたしは自分の中に蓋をして消そうとした 逃げたかったんかもね」
「そのせいでわたしは当時の記憶を辿ろうとすると頭に靄がかかったり苦しくなったりしてた…
忘れたくない記憶と、忘れようとする記憶… そんな相反するもんがわたしの中でぶつかってた… そりゃショートもするよね…」
「今思えばわたしが中学から美術部なんて柄にもないことやってたのも新たな記憶の書き換えのためだったのかもしれない…」
「それがまさか高校生になって、おれがまた転校してくるとはな… 正直高校なんて碧がどこに進学してるかわかんないんだからな… 偶然だか、奇跡なんだか…」
「ママもそれ言ってた 両親はわたしが青ちゃんとの記憶を忘れてても元気ならそれでよかった それはわたしも同じ…」
「でもね、今こうしてまた青ちゃんと出会えたのなら、こうしてちゃんと思い出せてよかったって思える」
「それはおれもだ! ずっとおれだけ覚えてるなんて残酷だわ 碧が思い出さないんならおれも忘れる!」
ずっと覚えてる…青ちゃんのその言葉でわたしには充分だった



