初夏の陽気とは裏腹に陽が落ちだすとまだ少し肌寒い
わたしは外に出て自転車を漕ぎ始めてそのことに気づく わたしんちからプールまで自転車だと10分程だ
現在《いま》の青ちゃんからはどんくらいかかるんだろ…
とにかくわたしはプールまで急いだ
失われた時を取り戻すかのように…
過ぎ行く街並みは昔と変わらない
それがなおわたしをあの時へと引き戻してた
『見えた!』プールが見えた時、心の中でそうつぶやいてた
と、同時に「青ちゃんっ!!!」って叫んでた
プールが見えるのと青ちゃんが見えたのがほぼ同時だったから
お互いまだ制服のままだった
それがこの一連の時間の経過を現してた
「碧っ!!!」
わたしを見つけるなり青ちゃんはわたしの名前を叫んだ! わたしは自転車から飛び降り青ちゃんへと走る、走る、走るっ!!
「ごめんねっ」その言葉と同時に青ちゃんの胸へと飛び込んだ 人目を憚ることなく…
「なんだよ、ごめんって… それはおれのセリフだろ」
「ううん、違う、違うよ… わたしはずっと青ちゃんに謝りたかった なのに会えないことがわたしの記憶を閉ざしてた…」
「思い出したんか? 平気なんか?」
「あの時ね…、」
わたしは自分の記憶の扉を開いて青ちゃんに話し始めた



