青と、碧…


「えー、今日は転校生を紹介する」

初夏の陽気が運んでくる暑さを含んだ風が開けっ放しの教室の窓から入ってくる その風がわたしの髪をなびかせ鼻先をくすぐる ほのかに香る春の残香

わたしは窓の外から見える景色をボーっと眺めてた
青い空に青い海…白い雲
遠くに海が見える景色は学校が高台に建ってることを意識させる
斜面に沿って立ち並ぶ無数の建物群に身震いする
まるで集合体恐怖症でももってるかのように

朝のホームルーム、先生の転校生って言葉に反応してチラリと教壇の方へ目をやる
いつもの連絡事項なら興味を示さないことが殆どだったから

「ほら、入ってきなさい」

先生が廊下の方へ向かって声をかける
クラス全員の視線が引き戸の方へ注がれる
少しの静寂があった わたしは特別転校生に興味もなく、その様子をまるで俯瞰して見ているかのようだった