パーカー女子は、フードを彼に引っ張られて2

私はその日、ひとりで買い物に出かけました。

今日はフィントの白い裏起毛パーカーに、フェリシモの花柄のボアフードのパーカーを羽織っています。
フィントの小花柄のスカートで、背中には茶色の小さなリュックを背負っていました。

私が買い物を済ませて家に向かっている時、後ろから誰かにつけられる気配がしました。
急ごうとして早歩きになっていた時、後ろから急に羽織っている花柄のボアフードパーカーのフードを掴まれてしまいました。

「きゃっ…!」

知らないおじさんでした。私はそのままフードを引っ張られながら、おじさんに人気のない公園のトイレまで連れていかれてしまいます。

「いや…お願い…離してください…!」

私は必死に掴まれているフードを解こうとしますが、おじさんはギュッと強くフードを掴んで離してくれません。

そして、さらにフードを強く引っ張りました。

「あっ…くるしい…」

おじさんにフードを引っ張りあげられ、フードが首を絞めつけます。

「誰か…たすけて…」

私はバタバタとおじさんに抵抗して逃げようとしましたが、おじさんにフードを引っ張られて逃げられませんでした。

「離して…!」

おじさんにさらにフードを引っ張りあげられました。

「く、くるしい…」

おじさんはしばらく私のパーカーのフードを引っ張り続けます。

私は必死に賢人の名前を呼びました。

「賢人…賢人…」

その時、誰かが駆け寄ってきました。

賢人でした。

おじさんは私のパーカーのフードから手を離して逃げていきます。

「はぁ…はぁ…」

私は苦しさから解放されてその場にへたり込みました。

「大丈夫かっ⁉︎、彩!」

「賢人…」

賢人が優しく私のパーカーのフードを整えてくれました。

「フードをまた引っ張られちゃって苦しかったよ…」

「もう、パーカーは着たくない?」

「ううん…賢人が引っ張ってくれるなら嬉しいからパーカーは着たいよ…」

「今度、もしフードを知らない人に引っ張られちゃった時の為に練習しよう」

「え?練習?」

「うん。彩ちゃんの力になるよ」

「あ、ありがとう…」

私は賢人にだけパーカーのフードは引っ張って欲しいんです。